上岩戸大橋と棚田

PC橋から棚田を一望できる。

(宮崎県高千穂町上岩戸)

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高千穂を跡にして、ボチボチきょうの宿泊地である大分県竹田市方面へ移動しよう。県道7号線を通って岩戸川の右岸をさかのぼれば細い道だが確実に大分県境に到達する。

しばらく走ると、正面に巨大なPC橋が見えてきた。地図を見ると「上岩戸大橋」とある。

岩戸側は深い谷で、村は山の標高の高い場所にあるから、川の両側には別々に県道が通っていて、以前には右岸の村と左岸の村は簡単には行き来できない時代が続いただろう。その不便を解消するために作られた橋なのだろうが、人口も少ない山村によくこんな立派な橋を造ったものだ。

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大分方面へ向かうにはこの橋を渡る必要はないのだが、橋から棚田の写真が撮れそうだったので寄り道で橋の上へ行ってみることにした。

まだドローンが一般的ではない時代、棚田をわかりやすく撮影するのは面倒だったのだ。

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橋の上から下をのぞいてみると、標高感が恐ろしい。

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古い橋が見えた。

以前は対岸の村に行くのには、谷底まで降りて小さな橋を渡り、また谷を登り返さなければならなかった。

谷の深い山村に住んでいる老人に話を聞くと、「向かいの集落へ最後に行ったのはもう何十年も前」みたいに孤立した暮らしをしていることがある。

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きょう移動した範囲にはたくさんの棚田があったし、高千穂町だけでも「日本の棚田百選」に3ヶ所が選ばれている。上岩戸大橋から見える棚田は百選の選外だが、他県の百選の選定地にはこれよりも小さな棚田もある。宮崎から大分にかけてはこうしたレベルの高い棚田がたくさんあるのだ。

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造成された棚田は土坡で、おそらくほとんどは昭和になってから機械を使って造成したものだと思われる。

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このあたりでは岩戸側の左岸、つまり西向きの斜面に棚田が多い。

集落は棚田の上辺にあり、斜面を下って圃場へ行くレイアウトになっている。

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一部には麦が植えられている。

(2012年03月22日訪問)

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