晒屋橋

園瀬川では最下流にある沈下橋。

(徳島県徳島市八万町橋北)

園瀬川(そのせがわ)佐那河内村(さなごうちそん)の大川原高原付近を源流として、徳島市の津田島で海に注ぐ全長25kmほどの川だ。市民の憩いの場、文化の森総合公園の前を流れ、比較的市街地に近いので市民には親しみのある川だと思う。下流部分では水無し川的な性格があり徳島市街地付近では小さな川だが、上流部分の流域面積が広いため、大雨があると容易に増水する。そのため、沈下橋が多い。

徳島県内のすべての川を網羅的に調べたわけではないが、おそらく県内で最も沈下橋が多いのは園瀬川ではないかと思う。

その園瀬川の沈下橋を河口から順番に見ていこう。

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最も下流にあるのは、文化の森から500mほど下流にある「晒屋橋(さらしやばし)」だ。名前はかつてこのあたりに染め物屋があったことに由来するという。

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沈下橋を造るということは、下流からは舟運の運行を遮るし、上流からの材木の流送の邪魔になる。

園瀬川は眉山の南側付近で流量の大半が伏流水になり、ほぼ水無し川になるため、もともと舟運や流送に適さない川だ。

それが園瀬川に沈下橋が多い理由ではないかと思う。

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それでもこの当りはもう河口に近いので、水量も多く、この橋の付近は汽水域だと思う。

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現在、右岸側には環状線のバイパス工事が進んでいて、地形が大きく改変されている。もしかするとバイパスが開通したら廃橋になるかもしれない。

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2004年6月21日、台風6号により増水したときの様子。

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平常時はこんな状態の橋が、、、

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こんなになる。

このときはバイパスの土盛りの法面までが水に浸かった。

(2004年05月30日訪問)