晒屋橋から上流へ500mほど行ったところにある沈下橋、向寺橋。文化の森総合公園の前にある。
文化の森には県立図書館、自然史博物館、近代美術館、児童公園などの施設が集中しているので、ここに一度も行ったことがない市民はいないと思う。だが、この公園の前にある沈下橋を渡ったことがある市民は少ないはずだ。
なにしろこの沈下橋は、公園の前の川にあるにもかかわらず、対岸の公園まで行けないのだ。
むかしは行けたのかも知れないが、現在はバイパスの工事現場になっていて、行けるのは対岸の畑まで。
公園に入るには少し上流にある抜水橋を渡らなければならない。
公園の駐車場が満車で、川の手前の河原に駐車させられる場合でも抜水橋を通ることになる。
橋桁は低く、水面からは1mくらいしかない。
橋の側面には角度が付いていて、増水時に少しでも水圧を受けないような造りになっている。
川の水はきれいだ。
少し下流に堰があるので、満潮時であってもここには海水は来ない。完全な淡水域である。
橋の下に自転車が沈んでいた。
タルコフスキーの映画のセットみたい、美しいな。
徳島に転居してきたときちょっと感動したのが、川にゴミが投げてあることと、郊外のほうに野良犬がいることだった。なんかとっても懐かしい昭和の風景、という感じがする。
事務椅子や自転車だって、川の生き物にとっては住み家になるわけで、生き物から見たら別に汚いものではない。
逆に、関東の川にはゴミは沈んでいないけれど、生き物がいない。
(2006年12月30日訪問)