吉野川橋

明治44年に架橋された道路用鉄造トラス橋。

(高知県大豊町尾生)

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精霊流しが行なわれると思われる場所を探していると、吉野川に架かる古い橋があった。

橋の幅は狭く、一瞬、単線の鉄道橋かな?と思ったが、橋は崖から直角に始まっていて、鉄道を敷設するのは難しそう。

ということは道路橋なのか。

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現在は歩行者専用の橋になっているようだが、使われていないように見える。左側の看板の文字はかすれて読めないけれど、たぶん「通行止」と書いてあるんじゃないかな。

でもまあ、最近まで使われていた感じだし、まだ橋床も欄干もしっかりしていて、渡る→即死、って状態ではない。

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橋は橋脚2基の3スパン。独立したプラットトラス構造。

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中央のスパンが最も長く、トラスも大型だ。

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橋の名前は吉野川橋。

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定礎を見ると「明治44年」(1911年)となっている。

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反対側には「汽車製造合資会社」とある。

なぜ汽車の会社が道路橋を造ったのだろう。

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トラスの鋼材は頼りないくらい細い。接合部分は剛構造ではなく、ピン止めで回転する造り。

橋桁はなく、この上に木造の橋床が載っていたらしい。

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H鋼も薄いなあ・・・。

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長スパン部分もピン止め。

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トラスの始まり部分も回転できる造りで、円板が鋼板を突き抜けている。これ、何のメリットがあるんだろう。

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橋脚は逓減のある煉瓦積みで見ごたえがある。

角の部分に石がはめ込んである混構造で、おそらく増水時に流木などが当たって割れるのを防いでいるのだろう。

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途中に鉄骨が飴みたいに曲がっている箇所があった。

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水害で橋脚が土台ごとズレたことがあり、そのときに曲がったのだという。

(2005年08月16日訪問)

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