鳴門市から阿南市にかけての海岸線にはいくつも海水浴場があり、徳島県の人口に比べて海水浴場が多すぎるのではと思うくらいだ。
そして海水浴場ではない浜もある。
袙とは古代の女性の衣装のこと。天女が舞い降りて衣を松にかけたという伝説から名付けられた美しい海岸だ。

浜の近くまで車で行けるが、駐車する場所から浜までが石だらけで多少歩きにくい。
ただ、そのせいかほとんど人が来ないのだ。

海水浴シーズンの休日でも、500mほどの浜に対してせいぜい1~2家族しかいないので、ほぼプライベートビーチといっていい。
海の家もないし、当然シャワーもないので身体を洗うシャワーと水タンクは自分で持っていかなくてはならないのだけれど。

恋人と誰もいない海岸で映画みたいに戯れてみたい、あるいは、誰にも邪魔されず一人になりたいという人は、ぜひ一度行ってみてほしい。
私は竹内まりやの名曲『象牙海岸』を聞くと、ここを思い浮かべてしまうんだよね。

浜の南に波打ち際に突き出た岩場がある。
こんな塩水がかかりそうな土壌がない場所も松は育つことができるなんて、ほんとすごいね。

この岩にはたくさんのカメノテが付いている。
実はカメノテって食べられて、しかも結構美味なのだ。ただこのくらいのだとちょっと小さくて食べるのが面倒くさい。
ちなみにフジツボもみそ汁などに入れるとすごくいい出汁が出る。

この場所には名前もわからない小さな祠がある。
一応、来たらお参りすることにしている。

浜の南端は磯になっている。
この磯を少し覗いてみよう。

磯の海中は色とりどりの海藻や魚を比較的簡単に見ることができる。
ただ波があるし、岩には尖ったフジツボなども付いているからウエットスーツやブーツ、手袋などが絶対に必要。淡水域とちがって有毒な生きものもいるし。
これはイソギンポかな?

オヤビッチャ。
食べたら美味しいらしく、流通する地域もあるとか。
徳島市内の鮮魚売場では見た事ないけれど。

ヒラメ。
どこにいるか見える?

タテジマイソギンチャク。
群馬に住んでいたころ、家に海水の水槽があって父が魚を飼っていた。その水槽に私は海でとってきたこのイソギンチャクを入れて一緒に飼っていたのを思い出す。餌には刺身の切れ端を食べさせていた。

ムラサキハナギンチャクかな?

ヨロイイソギンチャクとヘビギンポ。

ケヤリムシ。

ミル。
これは動物じゃなくて植物。

アヤニシキ。
これも植物。紫色に光って見える不思議な海藻。

マヒトデ。
これもなぜか紫色。動物がこういう色になるのって不思議すぎる。

イトマキヒトデ。
これも子どものころ飼ってた。

フジナマコ。
ここで紹介した生きものはどれもごく普通に磯で見られるものばかり。
でも海なし県で育った私には興味深く見飽きない。
(2007年07月21日訪問)