山田桜堤

500mのあいだに桜が並ぶ入間川の花見スポット。

(埼玉県川越市府川)

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菅間緑地公園から入間川を上流に1.5kmほどいったところに山田桜堤という桜の花見スポットがある。

といっても公園ではなく入間川右岸堤防の上に桜が植えられた場所だ。

正規の駐車場は存在しない。この写真の農道で路肩に片輪を落として駐車するくらいしかなさそう。

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ここ山田桜堤は地図でいうと"⇩"の場所にある。堤防がゆるやかにカーブしている部分だけに桜が植えてあるのだ。

さて。

この地域は入間川に対して小畔(こあぜ)川、越辺(おっぺ)川が一気に合流してくる場所で氾濫の危険性が非常に高い場所でもある。つい最近も令和元年(2019)に越辺川との合流点で堤防が切れて広い範囲が水没したのが記憶に新しい。過去には幕末の安政6年(1859)、明治40年(1907)に入間川は氾濫している。どう見ても危ない合流地だから江戸時代にはすでに河道の直線化が行なわれ、雨水を一刻も早く流せるような治水が行なわれてきた。つまり河道も堤防も直線化して抵抗を減らし水が滞留しないようにしたのだ。

にもかかわらず、この合流点付近を見ると堤防がカーブしている箇所がいくつかある。(点線の箇所)

これらは過去に堤防が切れた痕跡なのではないだろうか。

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桜のある土手へ上がってみよう。

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堤防の法面には水防倉庫と思われるものがある。

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水防倉庫は過去に水害が発生した場所に設置されることが多い。

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中を覗けたので見てみたら、内部は空っぽだった。

もしかしたら水防倉庫ではないのかも。

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その近くにはよくわからない穴がある。

公園の池だったか、野井戸だったか。この付近の土地改良がされたのは平成2年(1990)なので、肥壺の跡って可能性は低いだろう。

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堤防の内側から見たところ。ゆるやかにカーブしている。

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堤防の上に上がってみるとカーブがはっきりとわかる。

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きょうは2月でまだ桜の季節は遠いから殺風景だけど、それでも堤防上でジョギングしたり犬の散歩をしている人がけっこういた。

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入間川の高水敷。

河道は北側に寄っているので、桜並木からは見えなかった。

(2023年02月18日訪問)