金山の九頭龍権現

集落を背に立つ九頭龍権現碑。

(埼玉県川島町長楽)

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小剣樋管から見て都幾川の対岸。

都幾川の左岸堤防が大きく左にカーブしながら、そのまま越辺川の左岸堤防になっていく。

この堤防に九頭龍権現があるというので訪れてみた。この写真にも写っているがどこだかわかるだろうか。

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この場所は都幾川の最下流。越辺川の合流点からわずか300~400mくらいの場所になる。川の低水路の両側に樹が茂っていて流れが悪そう。

こんなだから堤防が切れるのかな。右奥に見える工事現場が2019年に右岸が破堤した場所だ。

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破堤した右岸の氾濫地が無人の田んぼなのに対して、左岸の堤内地は堤防のすぐ近くまで人家がある。この場所は昔から右岸側に決壊させる前提なのか。

現在の左岸堤防を見る限り、過去に破堤したような不自然な形状は見当たらない。ただし現代の強力な土木工事で過去の破堤場所は埋められているのかもしれないが。

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ススキに覆われた堤防上だが、九頭龍権現がある場所はすぐに見つかった。

堤防状の石造物は草刈りロボットが激突しないように目印のポールがあるので、それを探せばよい。

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碑は堤防のふちに集落を背に立っていた。

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年号は読み取れないが、額縁つき駒形の形態なので江戸時代だと思う。

江戸時代の堤防はもっと低くて小規模なものだったから、もともとはその堤防上にあったものを、拡張工事後にふたたび設置したのだ。

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九頭龍権現の背後はまるで参道のように集落までの草が刈られていた。

堤防を守ってくれる神様に感謝して町内の人々が草刈りをしているのだろう。

(2025年09月17日訪問)