大蔵神社の南側にあるお寺、安養寺。
右奥に見える森が大蔵神社だ。
寄棟の大屋根と経蔵が目を引く。
山門は薬医門だが、彫物などもあり薬医門としてはかなり立派な部類。
薬医門の案内板。
天保時代に活躍した熊谷の飯田流の宮大工が建てたものだという。
山門の前には石仏が並ぶ。
地蔵菩薩、聖観音、地蔵菩薩かな。
本堂。
本堂の右側に食い込む形で式台玄関がある。
かつてはこの右側に庫裏があったのではないかと思われるが現在は無住となっている。
大正時代にこの寺の住職が寺で児童養護施設「積徳育児院」を設立した。児童養護施設として埼玉で最初の施設だった。だが檀家の反対で寺の資金を使うことができず、住職は私財をその経営に当てた。しかし資金が底をつき大正6年に経営破綻、住職は寺を出たという。そのまま無住の寺になったのだろう。
この寺で始まった施設はその後渋沢栄一の支援を受け、現在は「埼玉育児院」という名前になり川越市で続いている。埼玉でもっとも歴史のある養護施設である。
本堂の内部。
本堂の右側に炊事場付きの部屋が増設されているが、庫裏としては簡素すぎて住職が暮らせるとは思えない。
本堂で法事をするときにお茶を出したり、洗い物をしたりするための台所ではないかと思われる。
境内は北向きの斜面で、丘の上が墓地になっている。
入口には勢至菩薩と釈迦如来の石仏がある。古い墓石だろう。
こちらはたぶん経蔵。
中は見えなかったが、もしかしたら輪蔵かもしれない。
(2023年01月04日訪問)
