少し前に長楽堤の終点として紹介した梅ノ木古凍貯水池。この貯水池の北側に愛宕橋という古い橋がある。
市野川のこの付近は2019年の水害の被害が出た場所で、堤防の改良工事がずっと続いていた。愛宕橋に近づこうとしても堤防上が立入禁止で、ご丁寧に警備員がいて追い返されるという状況だったので、見学できなかった。
最近その改良工事も終わり、自由に通行できるようになったようなのであらためて行ってみた。
ご覧のように、橋は市野川堤防の外側にあり高水時には確実に水没する。だからといってこれが沈下橋かというとそれは違うと思う。このあたりは両側の堤防の間が500mもあり、現代ならいざ知らず、簡単には抜水橋が架橋できない場所なのだ。
架橋時には抜水橋として作られたのではないかと思う。この辺りは川幅が広いので増水するときも流れがゆるくなり、コンクリートの桁橋ならば冠水しても耐えられるという考え方だったのだろう。
橋へは南詰めから堤防を乗り越える道路があって、車両も通行できる。いや、かつては出来た。
いまはサイクリングロードの車止めがあるので、草刈りなどの管理のために車が入ることはあるが、通常は歩いて近づくしかない。
橋はコンクリート製。幅員は目測4mくらいあり四輪車も通行できる。
欄干や親柱は風化が進んでいて、文字などは読めない。自治体の管理からも外されているため、情報はないけれど終戦直後の航空写真では確認できるので、戦前にはすでにあったようだ。
この道は古い街道で、安政6年(幕末)の道しるべに「愛宕橋」という文字が見え、明治初期の地図にも載っているから、何度も架け替えられてきたのだろう。
この橋が最後の愛宕橋となる。もうここに次の愛宕橋が架橋されることはない。
対岸はゴルフ場の敷地なので、街道をたどることはできない。
橋から見た市野川の上流方向。
下流側の風景。
すぐ近くに市野川大橋が見える。昭和41年(1966)の架橋。
愛宕橋は町道としては行政の管理外にあり、自然に朽ち果てていく状況だ。
川幅が広い場所なので、この橋のせいで付近の堤防が切れるという可能性はないから撤去の優先順位が低いだけで、文化財的なものでもないし利用者もいないので、遠からず撤去されるだろう。
(2026年04月18日訪問)
