この水門は市野川の水位が上がったときに、新江川に水が逆流しないようにせき止める施設である。
これは市野川からみた水門の吐き口。
ただ少し考えればわかるが、水門を閉めれば本流から支流への逆流は防げるが、支流の水が出ていかなくなる。
本流の市野川が満水状態になるような降雨のときは、当然、支流の新江川も余裕がないはずだ。
2019年の台風19号では水門を閉めたことで支流側の水の行き場がなくなり支流側で堤防が破堤した。このとき非常に広範囲が水没し、国道245号線も通行止めとなるほどの被害になった。
2022年現在、堤防が切れた場所は完全に復旧している。
復旧させた箇所は堤防上が舗装されていて、今後同様の事態が生じたときは、破堤させずに越流させるつもりなのかもしれない。
2019年はここから見えるすべての土地が冠水したのだ。
現在この場所に排水機場と調整池を造る計画があるという。九十九川の合流点と同じだ。市野川へのポンプ排水ができなくなった場合に、意図的に調整池に氾濫させるというものだ。
そもそもこの合流点の構造、おかしくない?
GoogleMapsの航空写真に江戸時代の堤防と河川を描き加えたのが上の図。
江戸時代には新江川と市野川の合流点はもっと下流の梅ノ木古凍貯水池付近だった。堤防は吉見領側の左岸堤防と川島領側の右岸堤防の両側から合流点に向かって狭窄していく構造で、合流点付近は遊水地になっていた。それを古凍地区を農地とするために、新江川を舌状台地のキワに付け替えたのだ。
新江川は従来より高い場所を流れるようになったうえ、放水路のような狭い水路になって余裕もなくなった。これじゃどうしたって古凍地区に氾濫するだろう。
まぁ最初からそのつもりなのかもしれないが、氾濫すれば作物がダメになるので農家はたまったものじゃない。
2025年に訪れたとき、すでに遊水地の用地買収が行なわれたのか耕作されていない圃場があった。
(2022年12月16日訪問)
