
地図で吉見町と北本市の自治体境界を見ると、荒川を縫うように蛇行している。この境界線が荒川の旧流路なのだろう。
その旧流路に沼があるので行ってみた。いわゆる河跡湖だ。
沼の名前は不明だが、西岸の小字の名前から「落合の野池」としておこう。野池とは釣り用語で「管理されていない湖沼」のこと。管理された「釣り堀」の対義語だ。

川島町側から近づくと、手前は真竹の林で、沼があるようには見えない。
この真竹が生えている地所の小字が「吉見町江和井落合」になる。

暗く荒れた竹林の中に踏み分け道を進んでいくと、、、

所々に枝道があり、その先が釣り台になっている。
釣りの魚種はたぶんヘラブナではないか。
竹が投げ込まれているのがよくわからない。他の場所でも投げ込まれているのを見るから、意図的なのだろう。1ヶ所の釣り台に2人以上の釣り人が入ったり、1人が2本以上の棹を使うときに絡まるのを防ぐため?
私はほとんど釣りをしたことがないし、あまり関心も持ってこなかったからこの釣り場を見てもどう評価したらいいのかはわからない。でも管理されていない釣り場というのにはロマンを感じるし、こういう場所で釣りをしたいというワクワク感はわかる。

竹林の中には何本か枝道があって、それぞれの先に釣り台があった。
すべて釣り師たちが自分たちで設置したものだ。でも個人の所有物というのではなく、おそらく誰が使ってもいいものだと思う。

沼尻は水が川になって流れ出ている。つまり伏流水があって少しずつ水は入れ替わっているのだろう。

沼の東岸は手入れがされていて明るい。
この岸辺は北本市荒井という大字。池の湖面の大半も北本市に属しているので、荒井の野池と言ってもいいかもしれない。

東岸にはかなりしっかりした桟橋のようなものが造られている。

ホントに無料の釣り場なのか。でも入場料の看板などもなかったしな。
荒川中流域にはたくさん野池がある。釣り人に訊ねたら、荒川本流は入漁料が必要だが野池は無料だと言っていた。本当かどうかは私は関知しない。気になるなら漁協に確認したほうがいいのかもしれない。
静かでさびしく、ひとりになるにはいい場所だ。
きょうは平日の夕方なので釣り人にはまったく出会わなかった。12月末なのでそもそも釣期ではないのかもしれない。

GoogleMaps の衛星写真でも見なければここに沼があるということはほぼわからない。
でもこんな野趣あふれる場所が荒川の堤外地にはけっこうあるのだ。
(2022年12月16日訪問)