吉見町と鴻巣市の間は荒川の堤外地が非常に広くなる場所だ。堤外地の東側に現荒川の本流、西側には旧流路がある。
旧流路は3つの横堤によって分断され、現在は沼になっている。その南端部分で旧流路を分断しているのが東吉見第1横堤だ。

東吉見第1横堤の特徴は、右岸の連続堤防から斜めの角度で突き出していることだ。そうなっている理由は、荒川本流に対して直角に築堤した結果、右岸堤防に対して浅い角度になってしまったからだろう。
この地区の3つの横堤は荒川が増水したとき旧流路に再び水が流れないようにするためのもので、横堤がなぜ必要なのかをはっきりと表わしていると思う。旧流路をあくまでも沼にとどめ、川が西側に移動するのを食い止めているのだ。

東吉野第1横堤の基部。
軽トラが走っている部分が横堤だ。こうして見ると、右岸堤防からそのまままっすぐ横堤が始まっているのがわかる。

基部を地表で見たところ。
左側奥へ伸びているのが横堤だ。

横堤は約700mあり、舗装路が堤防上を通っているのは基部から150mほど。

空中から見たところ。荒川だけで見られるユニークな風景。
横堤が旧流路を完全に分断していることがわかる。沼の名前は、たぶん左側が釜虎、右側が蓮沼。

横堤の上を歩いてみた。
横堤の上に轍が付いているのは草刈りの作業で車が入るからだろう。車で進入するのは自由だが先は行き止りになっていて転回はむずかしい。
軽自動車が何台か止まっているのは、鳥を撃ちに来ているハンターのグループ。

横堤上はこの季節は菜の花が多かった。

法面もきれいに草が刈られていて歩きやすい。

晴れた秋の日の気持ちの良い横堤。

突端まで来た。

突端では道路が巻くようにカーブしている。
(2022年11月22日訪問)