
東吉井第1横堤の北側にある野池、
江戸初期に荒川が瀬替えされる以前にはこの場所には和田吉野川が流れていたから、これは和田吉野川が作り出した河跡湖といえるかもしれない。この流路が川から分離されたのは大正7年(1918)から始まった直線化工事による。このとき横堤も造られて、流路は分断されて3つの沼になって残った。
ここ釜虎は東吉井第1横堤、第2横堤に挟まれた沼だ。

ただ横堤で分断されているといっても閉鎖性水域ではなく、沼尻からは川が流れ出している。雨水のほか伏流水もあるのかもしれない。

この沼尻に小さな橋がある。
橋の名前は不明。自治体の管理台帳には第n橋というような名前があるのかもしれない。ただし、釜虎沼にあるからといって「釜虎橋」と呼ぶのは違う気がする。なぜならこの沼を「釜虎」と呼ぶのは主に釣り人たちで、むかし釜虎という料理屋があったからだというようないわれだからだ。沼の名前というよりも釣り場の名前なのだ。人為的な工事で生まれた河跡湖だから沼には地名が無いのかもしれない。

橋は欄干が取り外せるようになっているので、当サイトの分類からいえば沈下橋。

元々は逆U字のパイプを挿していたのではないかと思うが、現在は1本のポールになり、トラロープで結束されている。

橋上から見た上流の沼。

橋上から見た下流。
沼の吐き出しだが流れはあまり感じられない。上流も下流も沼の一部という感じ。

橋へ向かう農道。このあたりの堤外地はほとんどが水田になっている。
農道は狭いので釜虎で釣りをしたい場合は駐車場所を探すのが大変そう。
(2022年11月22日訪問)