加賀野八幡は加賀野という大字にある小さな神社。周囲を水田に囲まれたそのたたずまいは何処にでもある村の鎮守といった感じである。
この八幡を有名にしているのが、境内にある自噴井戸だ。私が訪れたときにもバイクの荷台にポリタンクを積んだ人が立ち去るところであった。
これがその自噴井戸。
かなりの水量で吹き出しており、あふれた水は隣の公園の池や周囲の水路に流れ込んでいる。
写真を撮っている間にも次々に水をくみにくる人がいる。
「いつもは車を置くところがないくらい混んでいて、井戸のまわりも戦争みたいですよ。いや~、今日はどうしてこんなに空いているんだろう。お彼岸で水くみもお休みなのかなあ。」と語ってくれた夫婦は、春日井市から来たという。
ちなみに春日井からは40キロちかくある。春日井の方には他にいい水がないのだろうか?
なお、境内の周囲には「ハリヨ」というトゲウオの仲間が棲んでいる。巣を作る珍しい魚だ。
だがこれも市が川を大切にしているというより、川水の全量が井戸から流れ出ているため偶然に生き残ったのではないかという感じだ。なにしろ棲んでいるのはコンクリの側溝だし、魚を守る防護柵もおざなりだ。川に関心がないから貴重な魚も乱獲されないということなのだろうか。
(2000年03月18日訪問)