飛騨大観音

謎の朱塗り高層本堂は、結局謎だった。

(岐阜県高山市一之宮町)

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岐阜県宮村、と言ってもここは高山市から来ると国道41号線が峠を越えてすぐの場所だ。付近は峠越えの車がチェーンを着脱するための場所になっているためか、道路が直線で路肩も広くなっている。その国道を走っていると嫌でも目に飛び込んでくる朱塗りの高層本堂がある。飛騨大観音である。

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本堂はの高さはゆうに3階の階高はあろうか。ちょっと他では見られない奇抜な(すばらしい)建築だ。だが、寺というものはただ目立てばいいというわけではない。ある一線を超えてしまうと、老人会の団体旅行や一般の親子連れの旅行者などが引いてしまうという逆効果になることがある。この飛騨大観音、まさに一線を超えてしまった寺のおもむきだ。

なお、この飛騨大観音が寺(?)なのかどうかは不明。もしかしたらドライブインかも?

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国道の路肩に車を停め受付と思われる建物(レストラン?)に行ってみたが、ドアが閉まっている。観音堂へはこのレストランの内部からしか行けないようになっているのだ。

しばらく建物の周りをぶらぶらしていると、軽トラがやって来て裏口の方に荷物を下ろし始めた。さっそく行って、見学したい旨を告げたが、軽トラのオヤジは単なる出入り業者のようだ。聞けば今日は高山のお祭り(?)で、ここのオーナーは出かけてしまっているので観音堂は開かないだろうとのこと。

なんとも残念。3階部分の欄干に取り付くのは、また今度のお楽しみということか‥‥。

外見から察するに、内部はさざえ堂的な複雑な構造は期待できそうにないが、吹き抜けの空間に十数mの観音がいてもおかしくない建物だ。レストランの前の荒れ果てた庭に、大観音のプロトタイプかと思われる樹脂製の4mくらいの黄金観音像がうち捨てられたように立っていたのが気になった。

(2000年05月02日訪問)