中村の火の見櫓

村境にある火の見はまるで塞の神のようだ

(群馬県長野原町横壁)

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横壁集落で滝無不動から諏訪神社へと向かう道で見かけた火の見。

ところで、吾妻地方を東西に抜ける国道は川の左岸(北側)を通っている。これに対して吾妻川の右岸(南側)の街道は集落の中をぬって走る細い街道で、国道が渋滞したときに抜け道として通ったりする裏道だ。私の育った地域では吾妻川南岸の街道を「ヒカゲミチ」と呼ぶことがある。

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渋滞などがなければヒカゲミチを通行する車は少なく、静かなものだ。

そのヒカゲミチを通っているとよくこんな村外れの火の見を見かける。

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こうして村外れに立っている姿は、まるで村の入口でに災いの侵入をはばもうとする(さい)の神のようでもある。火の見櫓は言ってしまえばタダの防災施設なのだが、その姿のシンボル性ゆえに、どうしても信仰的な立地に建てられることが多いように思うのは私の思い過ごしであろうか。

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実際、火の見櫓の建っている辻には、地蔵や馬頭観音などの石仏が集められている。

文中で国道が左岸を通っている書かれているが、現在はこの場所に高規格国道が付け替えられ、風景は完全に変わってしまっている。

地図座標(緯度経度)は当時の場所を指すようにしてある。

(2001年04月01日訪問)