同じく小野上村の谷ノ口付近にある箱水車。
中央の白っぽい小屋がそれである。この水車を初めて見たのはもう15年くらい昔のことになる。そのころはまだ真新しいぴかぴかの水車だったように思う。15年ぶりに再会した箱水車が朽ちかける一歩手前という感じだったのには一抹の寂しさを感じる。
水輪はすでになくなっていた。だがそれを気にやむことはない。水車小屋の水輪が腐ったなんて、 消耗品がすり減っただけにすぎない。
ところで文献によれば、箱水車には水を溜める箱が2対(4箱)、もしくはそれ以上のものがあるという。しかし考えてみると2対では一つ目の箱から水がこぼれている間に、次の箱に水が入ることになるだろうから、おそらくその動きは普通の水車のように途切れない回転になるのではないかと思われる。これに対し、1対(2箱)の箱水車の動きは、水唐臼(あるいは鹿威し)を連続させたようなものだ。水が溜まってからやおら回転するというところが、普通の水車とは決定的に違っている。そして、そのバッタン、バッタン、という鈍重なリズムが箱水車の個性でもある。
内部の様子。
まだまだ充分に使えそうだ。
(2001年04月01日訪問)