
常堅寺の裏にはカッパ淵と呼ばれる場所があり、遠野最大の観光スポットになっている。
ただし『遠野物語』にはこのカッパ淵もカッパ狛犬も登場しない。

常堅寺からカッパ淵までは50mくらいか。

『遠野物語』では河童は猿ヶ石川に多いといわれており、赤い顔で猿のような生き物だと語られている。
また話の内容も『河童のわび証文』のようなありきたりの物語だけでなく、河童憑きとでも言えそうな名家の嫁が河童の子供を孕むというような話が多い。それでは観光に向かないから、無難な河童観光を作る必要があったのかもしれない。

川の風景としてはよくあるようでいて、でも似たような環境の場所をすぐさま挙げられない。
でもあとあと似たような場所に行くと「カッパ淵に似てるな」などと思ってしまう。

ここが観光パンフなどによく写真が載っている場所。
渕といっても川の水深は浅くて、ひざ下くらいしかない。
でも河童は水たまりにも潜むことができるというから、こんな場所にも住めるのだろう。

カッパ淵には小さな祠があり、なぜかVサインをした老人の写真が飾られていた。
子供のいる母親が願を掛けるとお乳が出るようになるといわれている。
(2000年10月07日訪問)