船岡観音の登山でさすがに体が目を覚まし、本来の目的地である岩手県を目指すべく東北自動車道のインターへと戻ることにした。
その途中、大河原町内の繁昌院という寺に立ち寄った。船岡観音への往路で寺を見かけ、復路でももう一度寺の前を通ったので、立ち寄ることにしたのだ。
大河原の町は南北に通る奥羽街道の宿場町として成立し、現在は商店街となっている。その街道筋の東側に参道があるのが曹洞宗繁昌院だ。別名を「東の寺」というらしい。
これに対して、この西側には最勝院という寺があったので、その寺が西の寺なのだろう。
参道を入ると、三間一戸の四脚門。屋根は入母屋造だ。
と、あっさり言ってみたが、三間一戸の四脚門っていうのはかなりめずらしい。もしかしたら薬医門と解釈すべきかもしれないのだが、この門に関しては四脚門と判定したい。
そう言えば、東北を旅していると薬医門と断定しにくい四本の柱の門を見ることが多いような気がする。
本堂。本堂は南面しているので、商店街の方から入ってくる参道は左手になる。
境内には横の川で行われる精霊流しのための飾り付けが進んでいた。
境内の地面はモルタルで固められているのだが、その中ほどに「ここに立って礼拝しろ」というような足型があった。
珍しい装置である。
本堂の右側には選仏堂がある。つまり座禅堂だ。毎日朝5:30(日曜は6:30)から座禅会が開かれているらしい。
本堂の前(南側)には立派な八脚門の仁王門があった。本来はこちらが入口か?
屋根は銅版葺きの切妻。
仁王門の横には鐘堂と六地蔵。
境内には他に鎮守社×2、庫裏。
寺の横は阿武隈川の支流の白石川。ここから船岡にかけての土手の上には桜並木があり、「一目千本桜」という桜の名所なのだそうだ。
(2001年08月11日訪問)