仙台市の北西部はかなりの高台までまだらに住宅地が開発されている。どうしてこんなところに住宅地を造成するのか、関東平野育ちの私には理解できない。確かに自動車はどんな急斜面でも登るが、自動車のない人はどうやって暮らしていくんだろう。日本山妙法寺の仙台道場は、そんな強引な宅地化が進んでいる地域にあるが、寺の周囲はうっそうとた雑木林が残っている。市街化調整区域に入っているのだろうか。
この妙法寺は「日本山妙法寺
日本山妙法寺大僧伽は非暴力・平和主義を旨とする宗派である。
これは仏舎利塔以外に唯一存在する堂宇の宿坊(?)だがひと気は感じられなかった。このころちょうどアメリカのテロ報復作戦に自衛隊を参加させるかどうかの議決が行われようとしていたので、僧侶や信徒はみな国会裏に集結して題目を唱えていたのかもしれない。
日本山妙法寺のもう一つの特徴は、国内外に仏舎利塔を建立していることである。その数は70を越えるともいい、おそらく国内の至るところで唐突に建っているパゴダの多くがこの宗派が建立したものと思ってよいだろう。
この妙法寺にも立派な仏舎利塔がある。高台にあるため仙台市街を一望することができる。逆に言えば仙台市内からも見えるということだ。
仏舎利塔のあたりは公園にもなっているせいか、けっこう人が来ていた。15人くらいはいただろうか。
仏舎利塔には階段があり基壇に登ることができる。仏舎利塔というと、お寺好きにとってもなかなか受け入れにくい建造物のようで、概して人気がないのだが、私は好きだ。こんな風景に原始仏教的なやすらぎとを感じてしまうのだ。
仏舎利塔の四面には色々なお釈迦様が収まっている。作風もそれぞれに異なっている。
北側の誕生仏。お釈迦様の誕生を表している。
南側は禅定像。菩提樹の下で瞑想をしている姿。
西側は降魔像。悪魔が現われて釈迦の修行の邪魔をしようとしたが、それを退けたところ。
東側の説法像。ついに悟りを開いた釈迦。
悟りを開いて初めて説法を行ったときの様子をかたどっている像で、日本的な像だ。
(2001年09月23日訪問)