秀林寺。輪王寺の参道の入り口付近にあった寺。
時刻は5時をまわって金色の西日が水平に差すようになってきた。どうやら今日の寺巡りはこの北山の山並みの寺を見るのが精いっぱいのようだ。山並みから離れた南側の寺町はまた今度のお楽しみ、ということにして山並みに沿って移動するつもりだったが、この秀林寺だけは竜宮門が見えたので例外的に立ち寄ることにした。
竜宮門の左右には山廊のようなものがあって二階に登ることができる。一般的な楼門は二階の高欄部分に階段をかけて登らせる構造が多いが、竜宮門の場合は一階の亀腹が高欄よりも広いため階段を設置する空間がない。そのため竜宮門には二階に登れないタイプが多いように思う。
登れる竜宮門でたまに見かけるは亀腹の内部に階段をつけて、二階の室内へ登るタイプだ。だがこの寺では山廊をつけることで亀腹部分を回避するようにしている。こういう構造は初めて見たような気がする。
竜宮門の亀腹部分には通路の内側に阿弥陀如来三尊仏と、対面には薬師如来が祀られていた。
境内には他に本堂、庫裏。
本堂の裏は墓地になっていた。
(2001年09月23日訪問)