八百富神社

「東海の江ノ島」の異名をもつ竹島にある神社。

(愛知県蒲郡市竹島町)

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弘法大師を見たあと、蒲郡ファンタジー館という博物館に向かったが、時間はもう5時で、当然のごとく営業時間は終わっていた。

しかたなくファンタジー館の近くにある八百富神社へと向かった。10月ともなると5時には日が陰ってしまう。今日の訪問地もここが最後になりそうだ。

八百富神社は渥美湾の沖400mにある竹島にある神社。海岸に沖合を向いた舞殿のような建物(左写真)がある。

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島までは歩行者専用の橋が架かっていて、無料で渡ることができる。

この光景、関東在住の人が見たら江ノ島と見まがうのではないだろうか。

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橋を渡りきったところには海中に建てられた鳥居がある。橋で鳥居を潜るというのは珍しい構造だ。

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島に入るとすぐ石段があり、石段の途中には左側に水盤舎、右側に無料休憩所がある。

あたりはすでに薄暗く、外灯がついていた。

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境内は左図のごとし。

図では堂宇が誇張されているが実際は周りの林(社叢)がもっと広い。実はこの社叢は極相林(その土地の植生の本来の姿の森)で国の天然記念物に指定されている。東海地方の平野部の極相林は常緑広葉樹だ。

実は日本の森は一見して天然林に見える森も、二次林(一度は人間の影響や天災を受けた後に本来の森へと変化していく途中の森の姿)がほとんどだから、平野部の極相林というのは天然記念物に指定されるくらい珍しいものなのである。

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境内はかなり暗かったが、それでもまだお参りをしている若者がいた。

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末社の大黒天社(?)。

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本殿の裏手のほうへ行くと、少し下り坂になっていて、八大竜王社がある。

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八大竜王社の裏側は龍神岬という岬になっていて沖には三河大島を望める。

階段を下りると磯伝いに島を一周することができる。島内の順路も江ノ島とよく似ている。

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遊歩道を通って島をひと回りする途中、ちょうど夕日が西浦半島の山並みに沈むところだった。

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竹島から浜に戻ると観光客相手の浜茶屋がまだ開いていた。メニューにアサリの浜焼きというものがあったので注文する。どんなものが出てくるのかと思ったら、ハマグリよりも大きな貝だった。味噌汁などに入ってくるアサリとはまったく別モノで、ウチムラサキ貝というのが本当の名前らしい。そのアサリを割って、醤油と七味で味付けして焙ったものだった。関東のほうではまったく見たことがなかったので少しびっくりしたが、ご当地の名物だそうでなかなかの美味。

この日は前夜に宿泊した豊橋の宿に連泊するつもりだったので、いつものような宿探しの気苦労もない。

蒲郡から西浦半島の方面をのんびり一周りして地元の人が入っている寿司屋を見つけて夕飯にした。地場の魚の刺し身に舌鼓を打ちつつ、ふと見るとメニューにオオアサリを発見。注文したのは言うまでもない。

(2001年10月07日訪問)