国道23号線を豊橋から蒲郡方面へ走っていると、途中で「日本列島」入り口の道標が目に入る。それ以上はなんの説明もなく、ただ「日本列島」と書いてあるだけなので、自動車で通っていく人々にはなんのことやらさっぱりであろう。
「日本列島」とは、埋め立て地に作らた庭園である。おおまかに日本列島の形をしていて、各県の特色などが再現されていいるというのだが‥‥
案内図を見てもわかる通り、これを日本列島というにはかなり好意的な解釈が必要だ。
日本列島の全長は400mくらいだろうか。これは九州の南端の辺りから見たところ。中央奥に見える円錐状の築山が富士山である。大きさだけは立派である。
近隣の子供たちの釣りスポットとなっている。
入り口にはつり橋の形をしたゲートがある。これは関門海峡を表わしているようだ。ちなみに、芝生部分が陸地、タイル部分が海に対応している。
各県のオブジェは関門橋のように比較的お金がかかっているものと、お金がかかっていないものとが極端だ。どういでもいい県はただ石碑が建っているだけだったりする。
これは兼六園(石川県)を表わしているのだろう。
いくつかの県を見ているうちに、あまりのしょぼさにあきれてくる。途中からはチェックするのも苦痛になってきたが、目覚ましの散歩のつもりで日本列島を一周することにした。
富士山だけは立派。なにか設計者の思い入れがあるのだろうか。
富士山のふもとにあるのが東京。高層ビルを表わしているらしい。
小学生の工作じゃないんだから、もうすこし考えてモノを作りましょう。
天童(山形県)。
たまたま石材屋さんに出来合いの将棋の駒があったから使ってみましたという脈略のなさが情けない。
陸奥湾(青森県)。
青森だからリンゴという安直さだが、他県からみればマシなオブジェだ。
群馬県の県庁の展望テラスに1/12,000のミニ群馬県の立体模型というものがある。強固な材質で出来ていて人間が模型の上に乗って山脈や町の上を歩くことができるものだ。おそらく県庁を見学にきた小学生が自の町を探したりするのであろう。地理を理解する上でとてもわかりやすい教材だと思った。もし日本列島全体の各県の形を正しく縮小し、主要な都市や道路(豊橋の歴史にかんがみて旧東海道の経路)でも再現された庭園があれば、その学習効果は計り知れないものがあるだろう。
だが、いかんせんこのミニ日本列島は志が低すぎる。また各県のオブジェの選び方もずさんで、ひと周りしたとしてもなんの教養も身に付かない公園だと言ってしまおう。同じ予算とコンセプトでも、もう少し工夫すればやりようもあったのにと思うと残念である。
(2001年10月08日訪問)