御津町から西に向かう。前日に見る予定だった蒲郡ファンタジー館などの蒲郡市内観光をするというプランもあったのだが、旅疲れの出た体がコッテリしたスポットを受け付けそうになかったので、そのまま蒲郡市街地を通過して西隣の幸田町の本光寺へと向かった。
寺はJR三ケ根駅からも近く、国道23号線のバイパスからすぐの場所にあるが、少し引っ込んでいて背後に山を背負っているために落ち着いた静かなたたずまいを見せていた。
本光寺は深溝(ふこうず)松平家の菩提寺でもある由緒ある寺だ。深溝松平家とは三河松平家の分流の家系で、十四松平といわれるもののひとつである。
参道はアジサイが植えられていて、参道入り口には「アジサイ寺」の看板も掲げられている。
山門は朱塗りの薬医門。
参道の右脇には鎮守社があった。
境内はおおむね左図のごとし。
西廟所には深溝松平氏1代~4代までの霊廟、東廟所には5代~19代までの霊廟がある。
4代までは江戸幕府設立まで三河の深溝を拠点とし、5代以降は肥前島原に封ぜられたが、当主が死亡すると遺体を船でこの地に運び埋葬したという。
境内に入ると左右に霊廟がある。
左手にある西廟所。
霊廟の建物は神道形式で石造。
本堂は方丈風。とても横に長い建物で、右半分は庫裏になっている。
庫裏の前には小さな鐘楼がある。
本サイトでは鐘つき堂について、2階建てで1階部分が木造袴腰(またはそれに準ずる1階の構造)があるものを「鐘楼」と呼び、地面の上に直接建っているものや石垣の上に建っている平屋建てのものを「鐘堂」と呼びわけているが、これは「鐘楼」と呼ぶにはぎりぎりの建築だ。
薬医門を入って右に行くと、料金徴収ゲートがあり、その先が東廟所になっている。
拝観料は100円で、壊れた土塀の修繕に使われるとのこと。境内や西廟所は無料だし、どうしても東廟所も見たい人だけが拝観料を払えばよいシステムなので良心的と言えるだろう。
東廟所は短い石段の先にあり、入り口は薬医門。
(2001年10月08日訪問)