2月下旬のまだ寒い時期、市場町のほうへ出かけた。以前から気になっていた辻時計の写真を撮るためだ。
辻時計のある阿讃山脈の谷を目指して旧道を走っていたら、丘の上に大きなお寺が見えたので立ち寄ることにした。
お寺の山門は竜宮門だった。
この竜宮門というのがくせ者で「竜宮門とはこうあるべき」というテンプレートがなく、創作無国籍料理みたいなフリースタイルの建築物なのだ。
この竜宮門も独創的だった。
見上げると軒に垂木がない。一面の彫り物で埋められている。
成田山の三重塔の軒を思い出させる。
門の中へ入ると、鐘楼の柱が漆喰から半分出ている。
鐘堂を改造して竜宮門にしたのではという疑惑が湧く。
門を横からみると、間口と奥行きが同じだということがわかる。
裏側からみたところ。
門を潜ると、本堂まで短い参道がある。
参道の突き当たりは本堂と玄関のあいだの壁という中途半端な位置。
石門に鉄のアーチを取付けた中門があった。
こういう門を見るのは初めてではない。そろそろ名前を付けてもいいかもしれない。
アーチを潜ると、やや右にオフセットして玄関。その右には庫裏がある。
庫裏からさらに右には渡り廊下で繋がった建物がある。下の道から見えていたのはこの大屋根だ。
位牌堂でないかと思われる。
渡り廊下の途中に車が通れる通路があり、奥に車庫と土蔵が見えた。
玄関の左側は本堂。
どれも新しい建物だ。
気持ち、木割りが細い感じもするけれど、平成らしい生真面目な仏教建築だった。
(2005年02月20日訪問)