二川宿の火の見櫓

昭和30年代の丁寧な仕事で作られた大型の火の見櫓。

(愛知県豊橋市二川町中町)

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二川宿の住宅街の中で見かけた火の見櫓。

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三階建てで二階部分にも欄干がついている。このサイトで紹介しているなかでは、かなり立派な部類の火の見櫓だ。

これ以上立派なものとなると、望楼部に壁があって部屋になっているものということになるが、そういう物件は非常に少ない。壁をつけることによって、建築物扱いになるからだろうか。

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三階部分。円形の屋根、円形の欄干。そして欄干の手すりにも円形の意匠があるのがわかる。とても凝った造りだ。

屋根の上に風向計がついているのも火の見櫓らしくてよい。

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ハシゴを下部から見上げたところ。

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火の見櫓の所属を示すプレートが付けられていた。昔は、こんなふうに火の見櫓ひとつについて鋳鉄のプレートを作って取り付けていたのである。昭和30年と言えばやっと敗戦から立ち直ったかという時代だが、このぜいたくぶりはどうだ。

21世紀に生きる私たちは、当時よりはるかに豊かな時代にいるはずなのに、目にする建造物は貧しくなっているような気がする。

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製造したメーカーの名前も鋳鉄のプレート。

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本陣資料館の駐車場にあった、高札の模型と火の見の模型。(いずれも観光用。)

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ハシゴ型の火の見で、オール木造の、非観光のものは私はこれまでにいくつも見たことがない。

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町外れで見かけた火の見櫓。

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先に紹介した三階建ての火の見の弟分のようだ。同じ大徳産業が施工したものなのだろう。

(2001年11月23日訪問)