熊子観音寺

小さな堂だが、内部は密教様式。内陣には巨大な厨子。

(愛知県西尾市熊味町山畔)

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熊子観音寺。久麻久神社二座の山道付近にあった寺、というか、辻堂。

寺の入口には地蔵堂がある。(写真では手前の垣根の陰になって見えにくいが。)寺の存在はよほど注意していないと気付かないような場所だ。

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寺への道は狭い路地。

寺の名前「熊子観音寺」の「くまこ」と「久麻久神社」の「くまく」は元々は同じ言葉だったのだろう。

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境内には幟旗がたくさん立てられており、本堂の入口は開放されていた。

念仏講があって、毎月18日 13:00~16:30に百万遍念仏が行われているという。なかなか信仰の篤い辻堂のようだ。

本堂の裏手には寺務所のような庫裏のような建物がある。

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本堂は方三間の小さな建物だが、内部は外陣と内陣を区切った密教様式になっている。

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内陣には、予想外に立派な厨子があり、観音は厨子の前に出してあった。(前立仏か?)

この仏像も遠目にみた感じではかなり古そうだった。「平安末期!」と言いたいところだが、念仏講で焚いた香の煙で燻されて黒光りしているのだろう。時代は厨子とあわせて江戸初期くらいか。

(2001年11月24日訪問)