辻時計を探す途中で、小さなトラス橋があった。時計塔を見たあとに友人が行ってみたいというので見に行った。
車は通れない小さな橋で、橋のトラス部分はかなり古そうな感じだ。手すりはあとで取ってつけたような雰囲気で新しく、さらに橋の両側には吊橋の主塔のようなものがある。
寄せ集めたような不思議な造りなので、近くにいた人に聞いてみたところ、矢岸橋はもともとは吊橋だったが、掛け替えのときに下里にあったトラス橋を移築したのだという。
橋床部の上面は板張りになっている。
橋床の下部はスチールデッキになっている。
トラスの部分は古く、橋床と手すりは移築時に新素材で作り直したのだろう。
橋の移築というのは、文化財的なものを保存するという目的を除けば、あまり聞いたことがなかったがよくあるものなのだろうか。
全体的には華奢な感じがする橋である。
このあと、しばし友人と子供と河原で虫取りなどをして遊んだ。
小川町は私にとってはかつて親しかったひとが住んでいた処で、車で通り過ぎるときにも特別な感傷を感じる街である。市街にあるうなぎ料理を出す料亭や、西部の山地に隠れるようにしてある神社など、もっときちんと紹介したいという気持ちが強い場所なのだが、おそらくそういう機会がめぐってくる可能性は高くないだろう。
そんな思いを残しながら、友人の車で帰路についたのであった。
(2005年09月18日訪問)