弘福寺。読みは「ぐふくじ」であろうか? 土呂八幡宮と同じ区画にあった寺。場所は土呂八幡の本殿のさらに北のあたり。
土呂八幡の住所は南御坊山なのだが、この寺の山号が御坊山なので、別当寺かなにかあるのかと思って立ち寄ってみた。
人家の入口と見間違うような参道だが、奥に石仏が見えたので車で入ってみた。
石仏群は四国八十八ヶ所のミニ霊場だった。
コンクリート製の祠が気にかかる。
名古屋方面には、町内の小さな山(山岳という意味ではなく、雑木林などのある場所)に石仏を祀った「町内巡礼型ミニ霊場」とでも言えるものがあるが、これはその残骸なのではないだろうか。
ほんの30~40年前までは御坊山のあたりは名前のとおり鬱蒼とした山だったろう。雑木林の中の道は、人ひとりが通れる程度の、夜になれば怖いような細道で、その道ばたにこれらの石仏が置かれていたのではないか、などど空想してしまう。
それが、区画整理や道路の拡張、あるいは、土地の権利関係のいざこざなどで立ち退かされ、今の姿になったのでは、と。
堂宇は本堂と庫裏。
空はすっかり晴れて、さっきまでの雪がウソのようだ。
(2002年02月11日訪問)