田口の眼鏡橋

自然石の玉石で作られた石造アーチ橋。

(群馬県前橋市田口町)

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田尻の水車小屋の周辺は水路が複雑に入り組んでいる場所で、私が群馬に住んでいたころから、なんとはなく気になっていた場所だ。

にもかかわらず、ここに水車小屋があることには気付かなかった。そしてこの同じ場所にはもう一つきわめて興味深い物件があることを知った。

それが田口の眼鏡橋だ。

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この橋に気付かなかったのは、私がこのあたりを訪れていたころまだ高校生だったからではなく、写真のように樹に隠れて橋の全容が見えないからだ。

たぶん、高校生の私でもこの物件の価値はおぼろげに理解できただろうと思う。と、言うのも、今はもう失われたが、同じ前橋市の稲荷新田という字に小さなアーチ橋のようなものがあって、そのあたりを通るときにいつも気にして見ていた記憶があるからだ。

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今となっては稲荷新田にあった物件がアーチ橋だったかどうかは自信がない。

だがこの眼鏡橋は明らかにアーチ橋である。しかもアーチ部が玉石で積まれている。自然石のアーチ橋でも、通常はアーチ部分は切石で積むものだが、アーチ部に玉石を使っているのはかなり珍しいのではないだろうか。

(2007年01月14日訪問)

土葬の村 (講談社現代新書 2606)

新書 – 2021/2/17
高橋 繁行 (著)
筆者は「土葬・野辺送り」の聞き取り調査を30年にわたって続け、平成、令和になっても、ある地域に集中して残っていることを突き止めた。
それは大和朝廷のあった奈良盆地の東側、茶畑が美しい山間にある。

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