嶺公園の南側で別の稚蚕共同飼育所を探していて偶然発見した物件。実はここに来るまでにも、いくつかの候補地をチェックしたのだが、建物が確認できなかった箇所についてはいちいち紹介しない。
寺間の稚蚕共同飼育所は、現在は「東林組」という会社の事務所になっているようだ。
外部の雰囲気は当時のままだが、内部は徹底的に改装されて窓も追加されている。窓からは中の様子も少しうかがえるが、稚蚕飼育所とは思えない明るい室内空間になっている。
北側に主出入口がある。直線型の飼育所だ。換気塔は写真の右側(つまり北側)に寄っている。つまり北側がカイコの飼育室であり、南側には貯桑場や宿直室などがあったのだ。
現在は北側は仕切られて倉庫になっている。倉庫には犬が住んでいて、窓からこちらをみて吠えていた。
近くで見かけた立派な養蚕農家。
母屋もさることながら、すごい屋敷林だ。「林」と言うよりも、これは“ヤマ"と言ってもいいかもしれない。
赤城山の南面は冬場に「赤城おろし」という乾燥した強い季節風が吹きつけるため、敷地の北側と西側に風よけの屋敷林が発達した農家が多い。厳しい環境だが、自然と調和して建つ民家の姿を見ると感動せずにはいられない。
(2007年01月14日訪問)