この日は朝のどんど焼きからずっと移動していたので、昼頃には一行にも疲れが見え始めていた。実際にはここで紹介している以外の場所もチェックしており、飼育所が残っていなかった場所もけっこうあったので、精神的にも疲れてくる。
そこで昼飯に焼き肉屋に入り、気力を回復して残りの行程へと望んだ。
新宿稚蚕共同飼育所は、県道桐生大間々線よりも南側で、赤城山の南面といってもかなり平坦な地域だまで戻ってきた感じだ。
飼育所の周りはまだ桑畑になっていた。
桑はカイコに食べさせる以外に利用法などないのだから、この付近でもまだ養蚕をしている農家があるのだろう。
飼育所の建物は工務店の倉庫になっていた。
主出入口は東向き。
これまで見てきた飼育所は、ブロック造が多かったが、ここは木造モルタル。小屋組みも木造。全体的にブロック造の飼育所よりも古いように感じられる。
換気塔は撤去されているが数は3、高窓の数は4。
建物の側面に「新宿稚蚕共同飼育所」と大書きされている。南側には小部屋が増設されている。ここはかつて更衣室だったのではないか。
西側には窓のない一角がある。ここは宿直室と貯桑場であろう。
貯桑場は斜面を利用した半地下になっている。地下室の左側には扉があるが、ここから桑を搬入できたのかどうかは不明。桑は畑から軽トラやトラクターで運搬したと思われるが、東側には車道がない。それに桑摘み篭をかかえて出入りするには戸口が狭すぎるように思える。この扉が貯桑場とつながっていたとしても、清掃のときにゴミを掃き出すくらいにしか使えなかったのではないだろうか。
(2007年01月14日訪問)