「五代」という地名にはちょっとロマンを感じてしまう。その昔、この地に碁の好きな老人がいて、その老人が赤城山のほうへ柴刈りに行き、仙人に出会い碁の勝負をする。双方互角で時も経つのも忘れて碁を打ち続けたが、最後には老人が勝った。老人は意気揚々と村に帰ってきてみると、里では五代もの時間が過ぎて、老人の家は無くなっていたという。それが五代という地名のいわれなのだと。
その五代にはかつては3箇所の稚蚕飼育所があって、それぞれに名前があったのだろうが、現在はここしかのこっていないので、単に五代稚蚕飼育所と呼ぶことにする。
軽量鉄骨、木造モルタルの混構造で、換気塔は2個。
この飼育所の特徴は、建物の妻側に出入口がなく、戸口が側面にあることだ。この日、初めて見た形式である。少なくとも左側の扉は、当時のままであろう。
内部の構造は完全に取り払われて、農機具置き場やトラクターなどの車庫になっていた。
南側には消毒用の水槽がある。
写真では分かりにくいが、笹の中に地下室の換気窓がある。
(2007年01月14日訪問)