この日、最後に見た飼育所。
この日はスタートが遅かったのと、市内に近い地域をチェックしたが失われた飼育所が多かったため、6軒の飼育所しか確認できなかった。だがその最後に、巨大な飼育所が現われた。
配蚕口も2個ある。このような大型飼育所の内部は飼育室が4列で、直線型の飼育所を単純に2つ並べた構造である。屋根は、ノコギリ屋根のようにしたのでは雨じまいがよくないので、一つの大屋根になっているのが一般的。棟部分は2階建ての民家ほどの高さになるが2階があるわけではない。
高窓の数は5なので、棟方向の奥行は先ほど見た日之出稚蚕共同飼育所と同じだが、幅は倍になっている。飼育室は5室×4列=20室という巨大さだ。
現在は水道工事業者の事務所兼倉庫になっている。
宿直室は南側。
宿直室の下には貯桑場の明かり取りのための小窓がついている。
南側には出入口がある。桑搬入口だと思われる。
大きな屋根だが、小屋組みはすべて木造。
こうして妻の部分を見ると、内部は体育館のような大空間になっているかと想像しがちだが、実際はさほど広々とはしていないはずだ。
2連型の飼育所では中央部分にもブロック造の飼育室(ムロ)が並び、小屋梁はムロの上に荷重をかける形で載っている。中央のムロは柱の代わりになっているだから撤去はできない。したがって、建物の外観のわりに内部は細切れで、大型倉庫としては使い勝手が悪いだろうと思う。
ここから、近くで見かけた養蚕農家の紹介。
高松稚蚕共同飼育所を探しているときに見かけた赤城型民家。
民家は立派だが、屋敷林がやや衰え気味だ。
同じく、二階建の養蚕農家。
こちらの屋敷林は立派。
高松稚蚕共同飼育所のそばで見かけた赤城型民家。
左上の写真と同一の民家を正面から。
正面には色々な形状の開口部が組み合わせられているのが面白い。
(2007年02月11日訪問)