東大室稚蚕共同飼育所は、この日の最後に予定していた訪問地だった。まだ日没までには少し時間があったので、旧粕川村、旧宮城村のほうへ行ってみることにした。ここから先は地図上での予備調査をしていない地域になるので、車窓から景色を見ながら適当に走るだけだ。
ここまでで赤城山のすそ野を西側から東側に向かって調べてきた。まだ東毛方面にはたくさんの飼育所があると思うが、キリがないのでどこかで線引きをしなければならない。そこで今日のところは、粕川という川を境として、その西側を時間があるかぎり回ってみることにした。
大室から北上すると、旧粕川村に入る。最初に訪れたのは打越という字。打越は大室古墳群を見下ろす丘の上にある。丘は洪積台地で、沖積平野に半島のように伸びている。台地からの沖積平野の眺めはとても広々としていて、いかにも古代人が居を構えそうな場所だ。
その丘の上に、共同墓地があり、そこに霊柩車の車庫があった。
南江木で見た物件に比べると、装飾面でかなりゴージャスになっており、現代の霊柩車に通じるものがある。
奥行は短かいので座棺タイプと思われる。ただし輿の部分はとても小さい。この中に座棺を収納できたのだろうか。
共同墓地の片隅には、赤城塔があった。
(2007年02月13日訪問)