新井の飼育所の前の道を南下していくと、大胡町の稚蚕人工飼料飼育センターがある。私の知る限り、2012年度に群馬県内で稼働している3ヶ所の人工飼育センターのひとつである。
壁面には、「昭和63年度 養蚕経営高度化モデル事業 大胡町農協稚蚕人工飼育センター」とある。
2012年度の群馬県で最も養蚕農家数が多い自治体は前橋市である。この飼育所はその前橋市を中心とした地域の稚蚕飼育を一手に担っている。
群馬県の人工飼育センターは、(株)中央製作所の螺旋循環式蚕座という大掛かりな飼育装置を使っているので、平面構成は同じになりそうなものなのだが、こうして見てみると、それぞれに異なった平面設計になっているのが興味深い。
この飼育所の特徴は、配蚕口や飼料搬入口などが凹状の窪みに集まっていることだろう。
凹部の左側には飼料の搬入用トラップが見える。
その隣の銀色のドアは、配蚕口ではないかと思う。
これは「チウオウ蚕箔洗浄機」という装置。螺旋循環式の飼育機では、写真右に見える緑色の蚕箔が1,000枚、ベルトコンベア式に流れている。この洗浄機は、飼育が終わったあとに蚕箔を洗浄する装置。
残念ながら使っているところを見たことはないが、上部の箱状の本体には戸車がついているので、使用時にはスライドさせて蚕箔の上に載せるのであろう。
これは「チウオウ人工飼料給餌機」。
右側のドアは、ボイラーなどがある機械室への入口ではないかと思う。
この施設、機会があれば内部を見学したいものだ。
(2008年12月31日訪問)