日光寺。
米山寺はかつて12ヶ寺の塔頭を有した大寺院だったという。日光寺はただひとつ残った塔頭である。
お寺のレポートを書くとき、堂宇の写真を載せるだけではなくてその寺へのアプローチや周りの様子を紹介したい、という思いをこれまで何度か吐露してきた。日光寺では参道の様子を丁寧に紹介しよう。
米山寺の本堂は谷の西斜面にあって東面しているが、その反対の谷の中に日光寺はある。参道は車では入れないような狭い道で、浮世離れした山家を訪れるような雰囲気だ。
本堂は茅葺きにトタンをかぶせた農家ふうの造り。内部は生活空間になっていたので、覗いたりはしなかったが、多分間取りも四間取りの農家そのものだろうと思う。現代生活のための増築があまり入っておらず、生きた民家の好例ではないかと思う。
これに比べたら、よく民家園などにある展示民家は、ホルマリン漬け死体みたいなものだ。
大師堂。
現在は堂守の人が寺を守っている。こんな寺の堂守をしてみたいものだ。
蔵。
なお、日光寺は元は日光坊という名前だったそうで、米山寺十二坊は、日光坊、浄土坊、歓喜坊、宝蔵坊、来迎坊、西隣坊、安楽坊、長楽坊、松林坊、安養坊、仏頂坊、蓮葉坊、だったという。
日光寺以外には残っていないが、かつて塔頭があった敷地の跡と思われる場所は米山寺の周辺に何ヶ所かある。
(2002年08月27日訪問)