敷島駅前から深山集落へ向かう街道に面していた水車小屋の跡。
実はこれは私が初めて意識した非観光水車小屋だった。小学校の高学年のころだったろうか。父親の運転する車の車窓から初めてみた水車は、水しぶきを上げながら勢いよく回転していた。子供ながらにも「ああ、本物の水車ってこんな場所にあるんだな」と感じたことを思い出す。
高校時代に自転車を遠乗りして訪れたときには、すでに水輪はなく小屋だけになっていた。
今回訪れたときは更地になっていたが、仕方がないと思われた。
それにしてもこの水路の様子はどうだ。「どう見てもここに水車があったよね」と言わずにはいられない水路ではないか。
大学時代にこういう水車小屋跡のイラストをよく描いたものだ。水車のイラストではなく、水車小屋跡のイラストである。たぶんどんな風景画家も描かないリアルなふるさとの風景であろうと思う。
いまはもう更地だが、心の眼で見れば水車小屋の姿がありありと見える。
(2007年05月04日訪問)