飼育所の場所に、なにやらスレート波板葺きの風情のない感じの建物が見えた。
「ああ、飼育所のあとに豚舎が建ったのかな」と一瞬思ったのだが、近づいてみると、稚蚕飼育所の建物そのものであった。
現在は農家の車庫として使われている。
南側から見ると、赤城南面で多く見かけた高窓つきのブロック電床育タイプの飼育所であることが確認できた。
ただし赤城南面では、このタイプの飼育所では屋根は円筒のベンチレータが主流だが、ここは気抜きの越屋根を載せているというのが特徴的だ。
近くには消毒槽と思われるものも残っている。
北側に脱衣所がある。
ブロック造、軽量鉄骨の小屋、スレート波板葺きという特徴は、建築の美観という点では、どうしても評価が低くなってしまうが、これはもしかしたらプリミティブな飼育所建築としてのリファレンスモデルなのかも知れない。
(2007年05月05日訪問)