吉岡町にはかつてたくさんの稚蚕飼育所があったが、そのほとんどがすでに失われてしまっている。
古い住宅地図をすべてチェックして、1/25,000地形図にプロットしたものを見ながら確認しているのだが、行く先々で空振りに終わった。
飼育所がなくなった跡はどうなるかという例をひとつ挙げよう。公民館である。
瓦葺きで、一見すると飼育所の再利用か? と思わせるが。
近くで見ると、新しい建物だとういことがわかる。
これは稚蚕飼育所の居抜きではなく新築だ。
ただ、建物の位置はかつての飼育所と同じだったのではないかと思う。
稚蚕飼育所→飼育所転用公民館→公民館に建て替え、という歴史をたどったのではないか。
なぜかというと、公民館の周りを自動車が廻れるのだ。なんの前提もなく公民館を建てるなら、建物は敷地のへりに寄せて、庭を広くとることで盆踊りなどの地域の行事をやりやすくするはずだ。
稚蚕飼育所では蚕を配蚕するとき、受け取りにきた軽トラが列を作るのだが、それが建物を巻くように並んで、ドライブスルー的に蚕を受け取るようにしていた。
この建物の位置はそのときの名残りだ。
(2008年05月01日訪問)
