自性寺の隣にある神社。参道は、右が神社、左が寺で、このようにとなりあっている。かつては、一つの寺だったのが、神仏分離で別れたものだと思われる。
旧中山道に面したところに一の鳥居。
少し参道を進んだところに二の鳥居がある。
境内は杉林になっていて薄暗い。高校時代にここを訪れたとき、杉の木にモモンガがいるのを見かけた。初めて野生のモモンガを見たので、それが印象に残っている。
二の鳥居の左側には社務所。
社務所の横は広場のようになっていて、なんだか場違いな感じに七福神が置かれていた。
この神社の見ものは割拝殿。実は、モモンガのことは覚えていても、この建物のことはすっかり忘れていた。
建築史の専門書で神社の本をいくらみても、こうした見世物的な建築が解説されることはない。本サイトでは、割拝殿の一種として分類しているが、舞台、あるいは、観月楼としての分類も可能かもしれない。
このページの右側にある「似ているスポット」から「割拝殿(懸崖型)」のリンクをたどってもらえば、こうした建物が特定の地方に生じた異物ではなく、普遍的な型をもった建築物だということがわかるが、なぜか建築史において神道建築として言及されることはないのである。
このアングル、好きだなあ。
割拝殿の先には、切妻平入りの拝殿。こういう拝殿にも呼び名が欲しい。
直感的には「八幡造り拝殿」とでも呼びそうになる。もちろん間違いなのだが、そう呼びたくなる気持ち、わかってもらえるだろうか?
本殿は覆屋に完全に被われていて見えない。
もしかすると、内部に社殿などなく、鏡などが置かれた部屋になっているだけかもしれない。
本殿の裏側は、平らに整地されていて、背後は石垣積みであった。
割拝殿の階下に養蚕火鉢発見。
このように養蚕火鉢に木枠がついているのは初めて見た。養蚕火鉢は底にフタがあるため、使っているとどうしてもそのフタのすきまから灰がこぼれ落ちてくる。さらに、鉢が浅いので畳の上などで使おうものなら焦げ跡がついてしまう。
養蚕火鉢を普通の火鉢の代用品として使おうとすると、そのあたりが厄介なのだが、箱をつけることで使えるようになるのかもしれない。
(2013年07月21日訪問)