遠くから、越屋根にたくさんの窓が取り付けられたユニークな建物が見えてきた。
小日向稚蚕共同飼育所だ。
建物は東西に建てられていて、西側の道路に面したところに貯桑室への入口がある。
建物の戸の様子からすると、西側が配蚕口のようだ。つまり、配蚕口側に貯桑室があることになる。
一般的には、配蚕口と反対側に貯桑室(地下室)があるケースが多いので少し変則的だ。
シルエット的には土室育っぽいが、建物の外装はトタン張り、窓もサッシュになっているので新しそうに見える。
左写真のように部分的に外装が貼ってない場所があるのが不自然だ。
消毒槽は入ってすぐのところにある。かなり深い。
外壁には換気口の土管を埋めた跡がある。
反対の東側に廻ってみると、こちら側も配蚕口のような造り。
もしかしたらこの飼育所は内部は飼育室のみで、宿直室などの建物は別棟にあったのかもしれない。
東側はガラス戸で、少し中が見えた。冠婚葬祭会社の倉庫になっているようだ。西側に宿直室があるかないかはよく確認できなかった。
建物の外観は土室育飼育所っぽいのだが、内部はブロック電床育というのが意外だ。もとは土室だったのを取り壊してブロックに作り替えたのか、あるいは、通気孔付きのブロック室だったのか。
(2008年05月03日訪問)