旧松井田町役場

建築家・白井晟一による意欲的な設計の役場だった。

(群馬県安中市松井田町新堀)

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松井田の市街地にある、旧松井田町役場。

民俗資料館になっていて見学できるのかと思っていたが、公開されているふうはない。どうもぽっと行って見学できる感じではなかった。

この役場は、白井晟一(しらいせいいち)という建築家の設計によるもので、言いかたは失礼だが田舎の役場にしては当時相当先駆的な建物だったと思う。

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私は大学が建築学科だったのだが、入学試験の面接で白井晟一について話題を振られたのを覚えている。前橋市の書店・煥乎堂の店舗を設計したのも白井だった。それはうっとりするような文化の香りのする建築だったのだが、取り壊されて別の建物になってしまった。それ以来、地方文化の担い手としての煥乎堂書店に対する信頼度はかなり下がったと思う。

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建物は外から見ることしかできないのが残念だ。手前にみえる岩のような壁と、カーブしたバルコニーあたりに白井の特徴がかいま見れるように思う。

モダニズム建築に対する挑戦の記念碑としても重要だし、ポストモダニズム建築の時代を過ぎた現在の眼で見ても、まったく輝きを失わない建物だ。

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町役場として、これほどのものを建てられたというのは、当時の松井田町は新進気鋭の活力に満ちた町だったのだろう。

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近くには旧松井田警察署の建物も残っている。

戦前の建物で、純西洋風に対して日本風の屋根を載せたもの。国粋主義の影響を受けた意匠で、このような形式を帝冠様式という。

(2008年05月03日訪問)

白井晟一入門

ペーパーバック – 2021/11/4
英語版 渋谷区立松濤美術館 (監修)
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