安中市の新島学園から少し南へ行ったところに土橋(どばし)があることに気付いた。土橋とは、橋げたが木造で橋面に土が敷いてある構造の橋である。時代劇に出てくるような橋とでも言えばわかりやすいだろう。
私は徳島に住んでいたときに、冠水橋が多かったことから橋に興味を持つようになった。だが徳島ではコンクリートの沈下橋か、鉄の橋脚に木の板を渡した流れ橋がほとんどで、土橋はまったく見かけなかった。
関東では越辺川や高麗川あたりに、土橋が結構残っていたような記憶がある。そのうち埼玉に出かけたときにでも紹介できるだろうと思っていたのだが、それより先に群馬県内で紹介することになるとは思ってもいなかった。
写真の道は市街から野殿方面に向かう旧道と思われるが、見えている先は行き止まりで通り抜けもできず、よほどのことがなければ市民がこの橋を通行することはないと思われる。
このような観光地でも公園でもない場所になぜ土橋があるのか不思議だ。
定礎をみると「平成24年3月竣工」とある。最近補修されたようだ。確認はできないが、おそらく補修前も土橋だった可能性が高いだろう。もう少し早く気付いていたら、古い橋が紹介できたのに残念だ。
幅員は3mくらいだろうか。乗用車は楽に通行できる。
橋面。
このように土が敷いてあるのが土橋の特徴だ。
(2012年05月08日訪問)