2012年の夏、中山道坂本宿の小学校で郷土史の発表会があったので出かけた。
そのとき、小学校の校舎の中を見学できたので紹介したいと思う。この世知辛い時代、現役で使われている学校の中を見学できることはめったにないし、また今後もこのようなチャンスはないかもしれない。
廃校になって、資料館などに改造されたり、映画やCMのロケなどで使われた跡を保存している校舎はたまにあるが、それは学校の本当の姿とは言えない。
子どもたちが日々生活している場所のそのままの姿であり、実に生き生きとしていた。
玄関は、階段の踊り場の下に作られている。
1階の廊下。
手前は保健室、奥は職員室になっている。
その廊下の突き当たりは理科室。
骨格標本があるのは、まるで映画のセットみたいだ。
2階に上がってみる。
2階には、学年の教室のほかに音楽室、図書室、校長室などがある。
校舎は2階建てだが、階段室の中3階があって、どうやら用具置き場かなにかになっているようだった。
私が通った小学校も低学年のうちは木造校舎で、はやり中3階がこのようになっていた。
廊下にある流し台。
教室に入ってみた。
4学年は、もしかして生徒が一人なのだろうか。
他の学年も人数が少ない。
教室の前のほうの様子。天井に扇風機があるのが、私の小学校時代とは違っている。
別の学年の教室の後ろのほうの様子。
この教室はよく見ると天井の施工方法が他の教室と違う。
2階の教室の窓から校庭を見おろしたところ。
再び1階に戻り、階段の突き当たりにある渡り廊下を通って、トイレに入ってみよう。
これがトイレの外観。
越屋根を載せた木造建築。
私が通った小学校のトイレもこんな感じだった。当時は男子小用は便器がなくモルタルの壁に直接用を足す造りだったし大用はぼっとん便所だった。学校の怪談はリアルタイムに聞いたことはなかったが、それでも何か出そうな怖い場所だった。
きっとこのトイレも低学年の子どもには怖い場所なのではないだろうか。
私は以前、日本民話の会という研究会に参加していたことがあって、現代民話や学校の怪談などをずいぶん聞いてきた。学校のトイレは「花子さん」や「赤い紙、青い紙」といった定番の妖怪の出現場所とされている。丁寧にみておきたいところだ。
写真中央には「使用禁止 このトイレはつかえません。」との張り紙。開かずのトイレだ。すでに怪談じみているではないか。
個室の内部を見てみると、意外なまでに狭い。
ぼっとん便所ではなく、水洗になっていた。
とはいえ、このような水槽を上げたタイプの水洗便所自体が最近では珍しい気がする。
学校の怪談。
戦争中に病院だったと言われる学校がある。ある生徒が忘れ物を取りに夜の学校に行き、看護婦の幽霊に追われてトイレの個室に逃げ込む。幽霊は隠れた生徒を探して個室のドアを順番にノックしては開けていく。やがて自分の入っている個室の番になると、ノック音は止む。どうやら幽霊から逃れたことができたようだ。朝までこの個室に隠れることに決め、しばらくしてふと上を見上げてみると・・・・
外に出てみる。
校庭側には水飲み場。
校舎の裏側は塀などがなく、そのまま田んぼになっていた。
実にのどか。
そういえば、郷土史の発表は音楽室で行われたのだが、音楽室の写真を撮り忘れた。見学者が多かったので人が少なくなってから撮影しようと思っていて、そのままになってしまった。また機会があったら行って撮影してこようと思っている。
(2012年07月25日訪問)