鳴沢不動へ入る県道のT字路の道ばたにレンガ造りの倉庫がある。
米倉庫として使われいた倉庫だそうだが、聞くところでは元々は丹生組合製糸の繭倉庫だったらしい。
群馬県の県南西には、農家が協同で設立した組合製糸がたくさんあり、丹生組合製糸もそのひとつなのだろう。
この倉庫の外壁のレンガの積み方を見ると、レンガの長い側面(長手)だけが見えるように積まれている。このような積み方は長手積みという。
長手積みは、アーチの内側などの処理に用いる並べかたで、垂直の壁を積むことは通常はない。長手だけが見えるように積んでしまっては、壁の奥行き方向に厚みを作っていくことができないからだ。つまり、このレンガは壁の構造材ではなく、土蔵のまわりにタイルのように貼り付けてある装飾レンガなのではないだろうか。
県道側には大きなシャッターがあるが、後補のものだと思われる。
南側(写真右手)には1、2階にそれぞれ窓。
裏側からみたところ。
北側(写真右手)にはまどがなく、東側に窓が8つもある。この種の繭倉庫としては窓が多すぎる気がする。
(2013年08月28日訪問)