金井の集落から日野の谷に分け入り、人家がまばらになってきたあたりにある堂。
道ばたで朽ちかけているので、通ると目が引き寄せられる。座棺や野道具などがあるのではないかと期待させるたたずまいだからだ。
裏手の畑から無理やり近づいてみた。
建物のまわりは墓地になっているようだ。屋根が抜け落ちていて、かなりやばい雰囲気。
建物には土台がなく、斜面に並べた平石の上に床束が載っている不安定な感じ。地震があったら、左側にずり落ちてゆきそう。
内部には小さな内陣というか、来迎柱みたいな空間があり、朽ちた厨子がころがっている。仏像はどこかに運び出されているのだろう。
残念ながらお目当ての野道具は見当たらなかった。
南側にはちゃんとした入口があった。ここはもと寺があって、現在の堂はその寺に付属した観音堂だったのではないだろうか。
(2013年08月27日訪問)