相川染工場

オリジナルの幟や袢纏地をオーダーできる染め工房。

(群馬県前橋市千代田町5丁目)

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広瀬川のほとりに染物屋さんがある。「相川のれん」だ。

ここは私の小学校時代の同級生の実家で、何度か遊びに来たことがある。ん十年ぶりに立ち寄ってみた。

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工房の様子は昔とあまり変わっていないようだった。

明治初期に創業し、現代のご主人で4代目になる古い染め工場だ。現在は、暖簾(のれん)(のぼり)袢纏(はんてん)、風呂敷などを注文に応じてオーダーメイドで染めている。

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この日は敷地いっぱいに反物がほしてあった。おそらく法被(はっぴ)になるのではないか。文字の(へん)(つくり)がばらばらになっているが、これらが合わさって後身頃(うしろみごろ)になるのだろう。

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奥さんが出てきて、作業場を簡単に見学させてくださった。

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布の両端を張り手という棒で挟んで引っ張って干してある。糊置きして乾燥させているところなのだろう。

これは布の上に型に合わせて糊を置き、その部分に染料が入らないようにする「糊染め」という染色手法だ。

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伸子(しんし)がたくさんある。布を乾燥させるとき、横方向に縮まないようにテンションをかける棒だ。上の写真で布の途中に渡してあるのが見える。

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これは型紙。

この型紙を使ってに布に糊をつけてから染液に入れると、その部分が染まらず地の色が浮き出るのだ。

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型紙はたくさんあった。

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染料のストック。

整頓された職人さんの仕事場は見ていて気持ちがいい。

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糊落としをする水槽だろうか。

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子供のころ、広瀬川のこの写真の奥に見える橋の下で幟を川に(さら)して糊落としをしているのを見た記憶がある。

たぶん相川のれんの仕事だったと思うのだが、いまのご主人に聞いた限りでは広瀬川で糊落としをしたことはないそうだ。先代まででやめてしまったのだろうか。

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いま相川のれんでは染めだけでなく、帆布(はんぷ)の小物の製造販売にも取り組んでいる。

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実用性の高そうな手提げが多い。

近々、広瀬川ぞいにショップをオープンするそうだ。

(2015年06月30日訪問)