丸大製糸

いまでも表札が残っている。

(群馬県前橋市国領町1丁目)

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丸大製糸は1998年に廃業したが、前橋を代表する玉糸製糸のひとつだった。

玉糸(たまいと)」というのは、ひとつの繭に2頭のカイコが入っている「玉繭(たままゆ)」や、B級品の繭「中繭(ちゅうまゆ)」を原料に加えることで、素朴な表情を持たせた生糸のことである。

明治時代に日本が生糸の輸出国として躍進した時代は細くて均一な糸をストッキングの材料として輸出していた。玉糸はそうした生糸とは一線を画する糸で、不均一さがその魅力だ。

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丸大製糸の工場はもうなく、いまでは、表札に当時の製糸会社の名前が残るだけである。

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跡地はブルドッグという雑貨店になっている。

この近隣には比較的最後まで製糸工場が残ったので、その様子をうっすらと覚えている人もまだ多いのではないだろうか。ショッピングセンターの「前橋リリカ」はもと郡是製糸、洋服の青山のある一角はもと丸登製糸という工場だった。

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工場の裏手には吉野川という用水がある。

ちょうど丸大製糸のあった場所には小さな堰が残っている。製糸工場では大量の水を使うので、近くに用水があることが多い。

(2012年08月28日訪問)

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