呑龍マーケット跡

戦後の闇市の雰囲気を残す飲み屋街だった。

(群馬県前橋市千代田町3丁目)

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弁天通りを歩いていると、細い路地に「呑龍(どんりゅう)飲食店街」というアーチ看板がかかっているのに気付く。

この路地の奥には、そのむかし「呑龍マーケット」という戦後の闇市ふうの飲み屋街があった。1982年に火災で焼け、いかがわしい感じの町並みも清潔な飲み屋街に変わってしまったのが残念である。

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久しぶりに路地に入ってみた。

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かつてはここに木造の商店(ほとんどが飲み屋)が並び、小便臭いような狭い路地が迷路のように広がっていたのだ。当時子供だった私は怖いもの見たさでよく探検に来たものだった。

現在は規模が縮小され、通りも1つになり、雰囲気もだいぶおとなしくなってしまった。

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現在の呑龍マーケット。

左手に見えるおしゃれなお店は「ヤギカフェ」という喫茶店で、どうも週一回、歌声喫茶をやっているらしい。

前橋でいつか入ってみたいと思っている店のひとつだ。

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アーケードを抜けて裏通りまで出てみる。

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裏通りには「呑竜仲店」というアーチがかかっていた。

「呑龍」の名前は、この商店街がかつて大蓮寺の仲見世だったことに由来するそうだ。江戸時代初期に呑龍上人という浄土宗の名僧がいて、徳川家康から太田市に大光院という寺を与えられた。大蓮寺は呑龍上人と深く関係していたわけではないようだが、なぜかこの仲見世に呑龍と名付けたようだ。

(2010年01月09日訪問)